・Raymarという革靴ブランドについて
・Raymarの靴を購入する際のポイント
・Raymarの良いところ
こんにちは、あさばらです。
この度、革靴好きの間では着実にファンを増やしまくっている、Raymar(レイマー)の靴を購入しましたので、そのことについて書いてみようと思います。
結論から先に言ってしまうと、僕は購入した靴を未だ履きおろしてもいないのにRaymarのことが大好きになってしまったので、なぜ大好きになっちゃったのかも書かせて頂きます。
これからRaymarの靴を購入検討されている方、そもそもRaymarについてご存じでない方は、ぜひ読んでみてください。
Raymarとは
静岡県焼津市の会社が展開するブランド
Raymar(レイマー)とは、静岡県焼津市にある有限会社サンレイという会社が展開する靴ブランドです。
この会社、元々はアパレルブランド向けに靴のOEM製作等を請け負っていた会社だそうです。
現在はRaymarの代表を務める大石さんのプロダクトによって、一人でも多くの人に『いい靴とは何か』『良い靴を持つ喜び』『靴を作る楽しさ』を伝えることをミッションとして掲げ、日々活動しているブランドです。
販売はネットショップのみ
Raymarの大きな特徴の一つとして、店舗販売をしていないというのがあります。
販売はYahooショッピング内に設けられた専用販売サイトのみ。他のECサイト(Amazon、楽天市場など)での取り扱いもありません。
本来、試着することが大前提の革靴の販売を、店舗を持たずにできるのか?
それができちゃっているのがRaymarの凄いところなのです。
何故ネット販売のみでも高評価なのかは、この後詳しく書いていきます。
ハイクオリティなのに超絶ロープライスなラインナップ
Raymarの販売サイトを見てみると、価格帯は26,000円~46,000円となっています。
(2023年7月現在)
金額だけ見れば、REGALやSCOTCH GRAINなどの国内革靴メーカーでもありがちな価格なのですが、驚くべきは靴のクオリティです。
26,000円のラインナップでは、グッドイヤーウェルト製法、ライニングに牛革、ビブラムソール使用で、アッパーは撥水レザーを使用しています。しかも、デザインがかなりカッコいい。木型の設計が良いのか、まずシルエットが非常に美しいです。
良い意味で、2万円台で販売されている靴のシルエットではないです。
また、デザインも定番の内羽根ストレートチップは勿論、シボ革のフルブローグなんかもあったりします。欲しい。
恐ろしいのはここからです。
ハンドソーンウェルト製法のラインナップは38,000円から購入可能という、驚異の低価格です。しかも、その価格帯でもヒドゥンチャネル+半カラス仕上げという、英国紳士も笑顔になること間違いなしの高級仕様となっております。
もう少し価格帯を上げると、いよいよアッパーに使われる革のグレードが上がってきます…が!それでも安いです。
ワインハイマー、ゾンタ、ホーウィンなど、世界の名だたるタンナーの高級皮革を使用し、ハンドソーンウェルト製法、ヒドゥンチャネル、半カラス仕上げ、ピッチドヒール、縁焼きなどの高級革靴にありがちな仕様にも関わらず、5万円を割り込む鬼安設定。
これ、ちゃんと利益とれてるのかしら…と、社会人として心配になるレベルの低価格です。
Raymarを購入するに至った経緯
ボーナスが出たぞ
夏と冬になると人々を笑顔にしてくれる存在、ボーナス。
しがない塗料営業マンの僕の手元にも、半年の疲れを癒してくれるボーナスが振り込まれました。
半年間、よく頑張った。
自分を労うために、そして次の半年を頑張るために、性懲りもなく革靴を買おうとしたことがキッカケです。
ちなみに、妻からは『そんなに靴を買って、一体足が何本生えているんだ』と毎回お𠮟りを受けます。
うーん何本でしょう、ムカデくらい?
日本のブランドが欲しいぞ
去年から今年にかけて買った靴は、パラブーツ、トリッカーズと、欧州を代表する靴メーカーのものばかりでした。
買った靴はどれも素晴らしく、とても気に入っているのですが、なんというか……ちょっと海外疲れを感じてしまいまして。
特にパラブーツ、トリッカーズって、どっちもラギッドな感じが強いのもあって、日本恋しさみたいのが出てきたんですよね。
海外にいって数日が経過したころに発生する『お茶漬けか牛丼食べてぇ』みたいな、そんな気持ちから、日本の靴ブランドの革靴が欲しいと思ったのでした。
ハンドソーンウェルトの靴が欲しいけど…
ムカデ人間の僕は、革靴好きの方からしたら普通くらい、革靴に興味がない方からしたらドン引きするくらいの靴の数を有しているのですが、持っている靴の中でも別次元の履き心地を誇るのが、
VASS SHOESのハンドソーンウェルト製法で作られた靴です。
VASS SHOESとは、ハンガリーはブダペストにある革靴メーカーで、既製靴の最高峰と言われているほど、丁寧な作りの革靴を販売しています。
そしてコチラの靴は、群馬県前橋市にある、靴好き界隈で今最も注目されているシューシャイナー(サウナー)、木嶋さんのお店、クツビガクの中古靴販売にて手に入れたものです。
この靴、土踏まずのホールド感からなのか、ハンドソーンウェルト特有の返りの良さからなのか、まるで足の裏と靴底が吸盤でくっつけられているかの如く足裏に吸い付いてきます。
あの履き心地を、日本の靴ブランドのものでも体感してみたい……。
そんな気持ちを抱いていましたが、靴好き界隈の一般常識として、ハンドソーンウェルト製法の靴は高額です。
平然と10万円を超えてくる世界であるため、庶民の僕には途方もない金額です。
でも、そこで候補に挙がったのがRaymarですよ。
Raymarなら、ハンドソーンウェルト製法の靴が5万円以下で買えるじゃないか。
そんな考えから、Raymarのハンドソーンウェルト製法の靴を購入しようと思ったのでした。
なぜ店舗がなくても売れるのか
『アシーレ』という神サービス
先ほども書いた通り、Raymarには店舗がありません。
ネットで靴を購入というのは、革靴好きにとってはややタブーとされている感もあります。
理由は、革靴の購入に際してはフィッティングが超重要だからです。
購入したい靴に足入れをしてみて、履き心地を確認してから購入する。
従来、必須とされていた靴への足入れを、ネット販売でも可能な限り再現したのが、Raymarが実施しているアシーレというサービスです。
アシーレとは、木型(ラスト)に対して忠実に型取られたビニール製の試着サンプルです。
Raymarのサイズ感をつかむために、Raymar初購入の人は利用必須のサービスと言えます。
ビニールの試着サンプル?それってちゃんと足入れできるの?そう思うでしょう。
一度やってみてください。
驚くほど木型の特徴を感じることができますよ。
捨て寸、踵~踝のホールド感、ボールガース(指の付け根)周りの締め付け具合、土踏まずの絞り具合など、実際の革靴に足入れしたときに気になる箇所がアシーレでも十分に確認することができます。
ビニール製と言っても、コンビニ袋のようなすぐ伸びるようなビニールではなく、割とゴワゴワで、しっかりしています。
(もちろん、何度も履いたり脱いだり、力を入れれば変形すると思います)
ちなみに、先端の捨て寸に当たる箇所が透明なため、つま先の指の状態も見ることができます。
これに関しては、本物の靴の試着よりも優れた点と言えます。
なにより驚きなのが、このアシーレサービス、無料なんです。
また、アシーレを依頼して、やっぱり合わないから靴の購入はしないよってなっても大丈夫です。
「その後どうでしょうか」みたいなしつこい営業電話がくることもありません。
ただ、フィット感に関して疑問質問がある場合は、一人で悩まず、Raymarに電話で相談するのが超お勧めです。
これに関しては後述します。
アシーレを依頼する流れとしては、
① Raymarショッピングサイトにて、気になるモデルを決める
↓
② そのモデルの木型番号をひかえる
↓
③ 公式ホームページにある、サイズ比較表を参考に、自身の既に持っている革靴のサイズと比較し、「これかな?」というサイズを選択
↓
④ アシーレ申し込みフォームより、木型番号とサイズ、送り先住所を入力し、申し込み!
これで数日後に、アシーレが普通郵便で届きます。
アシーレは無料とはいえ、作るのにも時間と手間をかけています。
そのため、「このサイズは合わないから1サイズ上げてもう一度依頼しよう」とか、「こっちの木型も依頼しよう」と、いくつも同時に依頼するのは避けたほうがいいでしょう。
(といいつつ、私は5722木型の27㎝、27.5㎝と2つ依頼してしまいました。ごめんなさい。)
大石さんの神対応で不安が消し飛ぶ
気になる木型の気になるサイズのアシーレが届いて、いざ足入れをしてみたとして、それでも気になるのがフィット感。
このビニールの袋でフィットしているとして、本当に大丈夫なのか。
やや左足の小指が当たるけど、これで問題ないのか。
甲の部分がキツい気がするけど、実際の靴ではどうなのか。
色々と不安も湧いてくるでしょう。
そんなときは、是非ともRaymarに気軽に問い合わせてみてください。
YouTube等でもお顔を拝見する、Raymar代表の大石さんが、丁寧に説明してくださいます。
僕もアシーレに足入れしてみたとき、色々不安がわいてきました。
というか、僕の場合はかなり厄介で、最初は5722木型のモデルを購入検討していたのですが、アシーレが届いた後に、気が変わって2022木型のモデルが欲しくなってしまったのです。
とはいえ、流石に2022木型のアシーレも依頼するのは忍びない……。
かと言って、このままだと靴の購入には踏み切れない……。
そこで、問合せ用のメールアドレスに、アシーレの装着感や、今持っている他メーカーの革靴のサイズとフィット感などの情報を記載し、メールしてみました。
すると翌日、見慣れない番号から電話がきました。
出てみると・・・
『いつもお世話になっております。有限会社サンレイ、Raymar担当の大石です!』
え!
あの大石さんが直接電話くれるの!?
かなり驚きました。
今や日本の革靴好き界隈では有名人である大石代表が、僕なんかのために電話してくれるなんて。
さらに驚いたのは、大石さんの説明が超絶丁寧で分かりやすい。
僕がメールした情報を元に、僕の足の特徴を見事に捉えており、結論として2022木型の27㎝がベストではないかという回答と、それに付随した超的確なアドバイスを貰うことができました。
感覚としては、店舗にいったときに、こちらの知りたい情報を簡潔に答えてくれる、接客も丁寧な店員さんに相談しているような、そんな気持ちになりました。
大石さんの神対応によって、安心して2022木型の27㎝を発注することができました。
大石さんの神対応の詳細と、木型の特徴に関しては、後ほど詳しく書いておきます。
買った靴について
Kettner burgundy(バーガンディ)
僕が最終的に購入したのは、Raymarがロンドントランクショー2023に出展した記念として販売された限定モデル3種のうちの1つ、Kettner Burgundyです。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/raymar-shoes/kettner-bg.html
最初は、同じくロンドントランクショー2023出典記念モデルのRay(5722木型)を購入検討していたのですが、今回は初のRaymarで、ハンドソーンウェルト製法の靴が欲しかったため、Kettnerをチョイスしました。
ホーウィン社 ハッチグレイン
Raymarの靴は、低価格にも関わらず有名タンナーの良質な皮革を用いていることも特徴の一つです。
今回チョイスしたKettnerには、アメリカ ホーウィン社のハッチグレインレザーが使わわれています。
ホーウィン社というと、オールデンにも使われているコードバンや、ワークブーツ等でもお馴染みのクロムエクセルレザーが有名ですが、ハッチグレインも有名なようです。
(今回初めて知った)
ハンドソーンウェルト製法
今回チョイスしたKettnerは、ハンドソーンウェルト製法という、手作業で本底のウェルトを縫い合わせる製法で作られています。
ハンドソーンウェルトで作られた靴は、
・返りが良い
・足へのフィット感が高い
という特徴があります。
先述したVASS SHOESのハンドソーンウェルトで作られた靴も、返りの良さ、履き心地の良さはかなり高く、また足底への吸い付くようなフィット感は、なかなか病みつきになる感覚です。
サイズは27㎝(US9)を選択
アシーレのフィッティングと、それを元に戴いた大石さんのアドバイスから導き出された最適解は27㎝でした。
ちなみに、Raymarの靴に表記されているサイズは、USサイズとなります。
個人差やメーカーによる差もあると思いますが、UK表記の靴をお持ちの方は、そのサイズからハーフサイズアップくらいの感覚が近いのかと思います。
サイズに関しては、Raymar公式サイトの、サイズ参考比較表を確認してみるのがお勧めです。
Raymarのサイズ感はアシーレで測るのが理想ですが、以下に僕の感じたサイズ感も記載しますので、参考になれば嬉しいです。
木型のサイズ感と大石さんの神対応詳細
ここで、今回の木型の特徴、サイズ感と、購入の決め手となった大石さんの神対応っぷりを書いておきます。
まず、メールで相談した内容は以下の通りです(要約)。
【相談した内容】
購入検討:2022木型 27㎝
利用したアシーレ:5722木型 27㎝ 27.5㎝
僕の感想:
27㎝だと捨て寸が1.5㎝あるかないか
左足小指がやや当たる
右足は気になるところはなし
27.5㎝だと左足の小指はやや楽になるが、右足全体の余裕が気になる
所持している靴とサイズ、感覚:
スコッチグレイン オデッサ26.5cm→サイズ感バッチリ。ただしタンパット使用しないと靴紐が閉じきる。
シェットランドフォックス ダーリントン 27㎝→サイズ感バッチリ。
パラブーツ ランス UK9→気になる箇所もなくバッチリ。
パラブーツ ウィリアム UK8.5→ややキツイが苦ではない。
トリッカーズ バートンUK8.5→ややキツイが苦ではない。
【僕の足に対するRaymar 大石さんの回答(要約)】
結論としては、2022木型 27㎝で問題ないと思われる。
まず、アシーレは木型に対してピッタリと貼り付けて型取りしているため、実際の靴のフィット感よりもキツく感じる傾向がある。
加えて、革は伸びるので、アシーレに足入れした時点で少しキツいくらいが、履き馴染んだときに丁度良くなると思われる。
捨て寸も1.5㎝近くあるのであれば歩行には問題なし。
2022木型は、5722木型と0401木型の両方の特徴を持つ木型。
前半分が5722、後ろ半分が0401というイメージ。
仮に靴が届いて足入れをしてみて、やっぱりキツいから履けないとなっても、1週間以内なら返品または交換可能なので、その際は遠慮なく言ってほしい。
上述の通り、2022木型の特徴として、前半分が5722木型、後ろ半分が0401木型の特徴を持っているそうです。
5722木型の前半分は、小指から爪先にかけて、やや強めのカーブを描いており、またカーブ開始位置の関係からウィズが細めの設計ですが、ラウンドトゥのため指先にはゆとりがあるようです。
また、甲は比較的高めの設計のようです。
一方、0401木型の後ろ半分(踵周り)は、スマートな形となっており、踵のホールド感が高いようです。
個人差はありますが、僕が実物の靴に足入れした際に感じた特徴は、スコッチグレインのオデッサに近い木型なのではないかというものです。
実際は、電話口でこれらの内容をメッチャクチャ丁寧に分かりやすく解説してくださいました。
購入に際しての不安は、大石さんの神対応によって消し飛びました。
ついに届いた!!
Yahooショッピングで購入、決済が完了した後、5日程度で発送となりました。
届いた状態は、シンプルな箱の中に緩衝材がたっぷり入れられており、丁寧な印象を受けました。
美しきハッチグレインのアデレード
今回購入したKettnerというモデルは、アデレードと呼ばれる、レースステーの周りがU字に切り返されたデザインです。
心なしか、他の方のRaymarシューズレビューを拝見しても、アデレードの靴が多い気がしますが、もしかして大石さんはアデレードがお好き?
足入れした瞬間に勝利を確信
届いた靴に対して、最も気になるのがサイズ感です。
興奮して手先がおぼつかない状態で靴紐をゆるめ、いざ足入れ!
……ッシュポッッ!!
(空気が抜ける音)
おおお!!
サイズばっちり!
ここまでジャストとは嬉しい誤算!!
捨て寸は丁度良くとることができており、懸念していた小指の当りも足入れした限りでは気にならず。
それよりも感動したのが、土踏まずの程よい絞りです。
いい塩梅で靴が足を下から包み込んでいる感覚です。
これは早く履きおろしたい……!
ただし、僕の足の甲が低いためか、レースステーは閉じきってしまいます。
これはタンパッドで調整可能なので、特に気にしておりません。
ちなみに、先ほどスコッチグレインのオデッサに似た木型ではないかと書きましたが、僕はスコッチグレインのオデッサのレースステーも閉じきってしまいますが、タンパッドを装着したことで、現在は極上の履き心地となっております。
純正シューツリーが入らない問題
今回、靴と同時にRaymar純正シューツリーも購入しました。
2022木型の27㎝に対して、公式ホームページで推奨されているシューツリーはサイズ43。
その推奨の通りのサイズを購入しました。
が、なんと。
シューツリーが入らねぇ!!
キッツキツというか…、これ入れて大丈夫なのか!?
あまりにも入りそうな余裕が無かったため、怖くなってシューツリーを入れることを一旦やめました。
またもや登場、神セールスマン大石さん
公式ホームページで推奨されたサイズのシューツリーですが、入らないのであれば買った意味がありません。
シューツリーを入れられなかったことと、できれば返品または交換をしたい旨、Raymarにメールを送りました。
すると…なんとまたRaymar代表 大石さんから翌日着信が!!!
なんと迅速な対応なんだと、着信がきたことに気づいた時点で僕は感動していました。
んで、大石さんのアドバイスをまとめると……
・シューツリー内側側面のネジを締め、幅を細くして入れてみてほしい。
・靴の靴紐はなるべく緩めて、履き口を広くして入れてみてほしい。
・ビスポークシューズのシューツリーを見てもそうだが、本来シューツリーは靴に対してビタビタになるようなサイズ感が望ましいと考えている。
・これから履きこむにつれて靴の革が伸びたときも、ちゃんとシューツリーがアッパーを伸ばせるようにキツめのサイズ設定を推奨。
・でも、ビタビタが好みでなかったり、心配であれば返品または交換OK
・最初のネジや靴紐の点も、試して頂かなくても返品OK
上記の内容を、ムッチャクチャ丁寧に説明してくださいました。
いかがでしょう。
神過ぎません?
いや何が神かって、最後の部分の「説明した方法を試した、試さないに関わらず返品受け付けます」というのが、まさにRaymar大石さんのホスピタリティが表れていると僕は思いました。
Raymarとしてのシューツリーの考え方や方法を説明しつつ、それを押し付けるわけでもなく、あくまで購入者側の意見を尊重しようとする姿勢。
僕は大石さんのアドバイス通り、シューツリーのネジを締め込み、靴紐をかなり緩め、勇気を出してシューツリーをもう一度入れてみました。
けっこう力を込めて入れたところ、なんとか両足とも挿入完了。
アッパーの芯材が入ったところ以外が全てパンパンに伸びきるほどのビタコンフィット。
確かに、革靴というのは、アッパーを吊りこんで、底付けをして完成に至るまで木型が中に入っており、その木型に対してもパンパンのビタビタになっているわけです。
その木型を専用の器具で取り外すくらいですから、シューツリーがビタビタであっても問題はないというのは、納得のいくところでした。
僕はシューツリーの返品という選択肢をとらず、大石さんが薦めるこのシューツリーと共に歩んでいこうと決めたのでした。
まとめ
店舗がなくとも安心して買える
本来、革靴は試着必須なお買い物であり、すなわち店舗販売による営業スタイルが望ましいのですが、店舗を持たずとも続けられているのは、アシーレサービスと、大石さんの親切丁寧な対応があるからこそ実現できていることなのだと感じました。
超絶コストパフォーマンス
店舗を持たず、百貨店やセレクトショップ等にも販売委託しないことで、販売コストを極限まで削り、高品質な革靴を低価格で提供できています。
ここ最近では様々な材料の価格も高騰しています。
それに伴って多くの革靴メーカーが値上げを実施しており、革靴の市場価格は上昇の一途をたどっております。
しかし、そんな中でも低価格で良質な革靴を提供しようと企業努力し続けているのは、我々消費者にとって、本当に有難いことだと感じました。
また買いたいと思わせる商店の鑑
低価格、高品質に加え、大石さんの親切丁寧細やかな対応。
Raymarの虜になってしまう人が増え続けているのは、物を販売する商店として、Raymarがとても総合的クオリティが高いからだと思います。
Raymarで初めて靴を購入して、僕は松下幸之助の著書、『商売心得帖』の内容を思い出しました。
松下幸之助はこの本の中で、『妙案奇策のあまりない販売の世界の中で特色を発揮するために、何が基本になるかというと、結局はお互いの誠心誠意です。』と書いているんですが、応対してくださった大石さん、ホームページの情報、公式ブログやInstagramの内容からは、まさに大石さん達の誠心誠意を感じます。
買う人のことを熱心に考え続けるRaymarのホスピタリティは、革靴業界のみならず、私を含めた多くの販売業の方が参考にすべきものだと感じます。
まだ履きおろしてすらいませんが、今回の購入を通じて、Raymarというメーカーの素敵なところを知れことは本当に良かったなぁと思っています。
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。