塗料

塗料メーカーの21年度業績と来期(22年度期)予想

こんにちは、あさばらです。

塗料界新報という業界新聞をご存じでしょうか。

毎月3回発刊されている、文字通り塗料業界に向けた業界新聞です。

塗料界展望社より発行されており、建築、自動車補修、工業の分野分け隔てなく、塗料や塗装にまつわる業界ニュースを発信してくれています。

そして、令和3年5月17日の塗料界新報にて、各塗料メーカーの今期業績予想が載っておりました。

内容をピックアップしてみましたので、是非、今期のお仕事にお役立てください。

21年3月決算報告 塗料需要1割減少

上場塗料メーカー12社について、コロナ禍による需要への影響は甚大でした。

ちなみに、ここで述べる12社とは、以下の通りです。

  • 関西ペイント
  • エスケー化研
  • 中国塗料
  • 大日本塗料
  • 藤倉化成
  • 日本特殊塗料
  • ロックペイント
  • 神東塗料
  • 菊水化学工業
  • アサヒペン
  • アトミクス
  • イサム塗料

トータルで見てみると、特に上期の売上減少が大きく、12社の第2四半期累計売上高合計値は、前年同期比20%減でした。しかし、通期では9.6%にまで持ち直しました。

また、営業益につきましては、上期は前年同期比44%減でしたが、コロナ禍によって原料価格が低下したこともあり、21年度通期で見ると、5.3%減までに留まりました。

ちなみに、22年3月期は、上記12社のうち7社が増収増益を予想しているようです。懸念として、新型コロナウイルス感染者増加が収束する時期の不透明さ、一部原料価格の上昇トレンドなどの点が挙げられますが、ワクチン普及の効果等から収益環境は概ね回復に向かうとの見通しを立てているようです。

コロナ禍において、どこのメーカーが好調だったか

今回の21年度連結決算で増収増益となったのは、アサヒペンとアトミクスの2社のみでした。

何故この2社は増収増益となったかいうと、コロナ禍における巣ごもり需要で、家庭用塗料やDIY用品が多く売れたためです。

また、ラインナップに上記のような家庭用分野の塗料を持つメーカー、関西ペイント、ロックペイント、藤倉化成、イサム塗料なども、DIY需要は堅調に推移したようです。

また、路面標示用塗料など道路関連分野では、コロナ禍による影響は軽微でした。ここに関連するメーカーはアトミクス、神東塗料などが主です。

各社の数値と中身

ここでは、上場塗料メーカー12社のぞれぞれの前年比売上増減率と、来期予想売上増減率、及び来期への取り組み内容や、今後予想される需要増について記載していきます。

【関西ペイント】

前年比売上増減率 :-10.4%
来期予想売上増減率:+9.7%

今期決算では国内は家庭用塗料以外は需要低迷。インド、中国、ASEANもコロナの影響により売上は減少しました。南アフリカは大幅に売上減少したようですが、東アフリカでは建築分野が伸張したようです。
22年3月期は、2年前から取り組む構造改革の効果や、コロナ禍からの回復を見込み、過去最高益にチャレンジすると強調しています

【エスケー化研】

前年比売上増減率 :-11.3%
来期予想売上増減率:+1%

今期は、戸建や集合住宅などの改装需要が、コロナの影響により停滞しました
来期売上増減も1%と、消極的な展望です。


【中国塗料】

前年比売上増減率 :-6% ※ただし営業利益は87.5%UP
来期予想売上増減率:+9.7%

原材料調達コストの低減や、グループ全社横断的なコストダウン効果が働き、大幅に営業利益が改善。中国塗料の強みである船舶分野では、修繕向けで欧州で堅調に推移しましたが、新造船向けは低調でした
22年度においても、修繕船需要は堅調であっても、新造船需要は縮小と予想しています。
また、営業利益に関しては原材料価格の上昇を想定、加味して-54%と予想しています。

【大日本塗料】

前年比売上増減率 :-14%
来期予想売上増減率:+8%

21年度は、国内構造物分野は公共工事需要が堅調に推移しましたが、鉄骨向けの需要が減少したほか、建材向けの需要もプラスには至りませんでした。海外自動車向けも含め、大半の事業分野で減収となっています

【藤倉化成】

前年比売上増減率 :-6.8%
来期予想売上増減率:+6.1%

下期に自動車分野の急速な市場回復があり、またホビー用塗料も堅調に推移しました。また電子材料はテレワークの広がりでPC向け製品需要が高まり、増収となりましたが、上期の自動車需要の大幅な減少と、建築用塗料の需要低迷で、通年で減収減益となりました。

【日本特殊塗料】

前年比売上増減率 :-16.1%
来期予想売上増減率:+13.9%

21年度は建築、構造物用塗料分野が低調で、大規模修繕工事も低迷、自動車製品も生産台数減の影響が大きく、減収減益となりました。しかし、22年度通期予想は前向きで、為替動向や生産性向上へ向けた各種取り組みの進捗などを踏まえ、営業利益も133%増を見込んでいます


【ロックペイント】

前年比売上増減率 :-4.7%
来期予想売上増減率:+2.7%

自補修、建分野にて下期に回復傾向があり、また接着剤や、先述した家庭用塗料の需要増に助けられましたが、通期では減収でした。ただ、製造経費削減などに取り組んだことで、利益面では増益しています。22年度は営業利益-21%減を見込んでいます。

【神東塗料】

前年比売上増減率 :10.4%
来期予想売上増減率:-1%

整備新幹線向け軌道材料を除き全て塗料分野で売り上げが減少しました。22年度は利益率改善に向け、既存塗料製品の高利益率化、新規コーティング剤の開発及び海外展開、DXによる生産性向上推進するとしており、通期予想は-1%ですが営業利益は479%増、経常利益139%増を見込んでいます。

【菊水化学工業】

前年比売上増減率 :-5.1%
来期予想売上増減率:+7.2%

第3四半期以降は上半期ほど大きな変動はなく、塗り替え需要を中心に回復傾向が見られましたが、通期で減収減益となりました。22年度の営業利益は10%増、経常利益19%増と見込んでいます。

【アサヒペン】

前年比売上増減率 :+15.1%
来期予想売上増減率:-5.3%

巣ごもり消費の高まりがあり、家庭用塗料、DIY塗料ともに需要が大きく伸び、売上高は上記の通りで、営業利益は営業活動等の制限で諸経費が減少し約55%増でした。

【アトミクス】

前年比売上増減率 :+5.7%
来期予想売上増減率:-2.9%

巣ごもり消費の高まりがあり、家庭用塗料、DIY塗料ともに需要が大きく伸び、売上高は上記の通りで、営業利益は営業活動等の制限で諸経費が減少し約55%増でし。

【イサム塗料】

前年比売上増減率 :-4.4%
来期予想売上増減率:-2.2%

エアゾール分野が工業用、DIY分野ともに堅調に推移しましたが、減収減益となりました。22年度は需要回復を見込んではいるものの、マイナス予想です。

まとめ

如何だったでしょうか。

各社の総評を読んでみると、新型コロナウイルスによる影響で、構造物、建築問わず新設案件が極端に減っていることが分かりました。
逆に修繕需要は堅調に推移している印象です。また、原材料価格低下に助けられたメーカーも多かったですが、22年度は既に溶剤の価格高騰が始まっております。(私もお客様にアナウンスしてるところです)
この影響が何処までの規模となるかは現時点でも不明ですが、とにかく言えることは、
コロナウイルス収束と共に、各業界の需要が少しでも回復傾向に向かうことを願うばかりです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!