塗料

塗料マイスター検定とは?令和4年から実施が見込まれる認定資格制度

こんにちは、あさばらです。

日本塗料商業組合が、塗料マイスター検定(仮称)を来年にも実施する意向を示しました。

そこで本記事では、正に塗料販売店員の私が、

・塗料マイスター検定とは

・塗料マイスター検定は何に役立つか

・塗料マイスター検定を受けるべきか

以上の3点について、分かりやすく解説いたします。

塗料マイスター検定とは

塗料マイスター検定は、塗料販売店の専門的地位の向上と人材育成を目的とした、日本塗料商業組合独自の認定資格制度です。

検討から現在までの流れ

2016年7月より検討開始

2018年に全体構成やテキスト内容が仮決定

2019年にテキスト作成に向けて本格スタート

という流れで、約5年をかけて準備が進められてきました

お米マイスター制度から着想を得る

塗料マイスター制度のアイデアは、日本米穀商連合会が運営する、「お米マイスター制度」から着想を得ています。

http://www.okome-maistar.net/about.html

お米マイスターとは、いわばお米の博士号ともいえる資格です。 一般財団法人日本米穀商連合会が主宰し、お米に関する専門職の経験がある人だけが受験資格があるなど、知識だけあっても、現場経験がない人は受けられない資格制度です。

https://www.gohansaisai.com/know/entry/detail.html?i=227

検定の位

塗料マイスター検定の位は、初級、中級、上級の3ランクに分類される予定です。

(呼称は変更になる可能性あり)

初級と中級では、建築、自動車補修、工業に関する全般的知識を求められます

上級では、それぞれの分野におけるクレーム対応など、メーカーのサポートを必要としないレベルの知識が求められるようです。

テキストについて

現在、テキストは完成に向けた最終段階の調整に入っています。

初級、中級は共通のテキストを用いることが分かっています。

テキストの完成は年内(令和3年)中を予定しています。

いつ、どこで開催されるか

第一回目の検定試験は、来年(令和4年)にも初級検定が実施される予定となっています。

開催場所は、当初は東京、大阪等の大都市圏で開催する計画だったものの、コロナの影響もあってか、オンラインの活用は検討されているようです。

また、各支部と連携した地方開催の可能性もありそうです。

塗料マイスター検定は何に役立つか

塗料マイスター制度が始まると、何か良いことはあるでしょうか。

私が思う、塗料マイスター制度の有益な可能性を3つほど挙げてみます。

塗料販売店にとって人材教育の良いツールとなる

塗料マイスター検定には、教育ツールとしての活用が期待できます

塗料販売店員は、メーカーとユーザーの橋渡し的な立ち位置であり、塗料の知識も、塗装の知識も、両方持ち合わせている必要があります。

しかし、若手社員が入っても、塗料と塗装の両方の知識を網羅的に学べるテキストはなかなかありません

つまり、しっかりとした教育資料が無いに等しいのです。

(有っても何十年も前のテキスト)

年配の社員達は教育資料が無いなんて聞けば、

「知識は現場で失敗しながら覚えるんだ。俺達が若い頃はなぁ…」

と、色々と言いたくなるのでしょうが、それでは若手社員はついてきません。

塗料と塗装についての基礎知識を会得するツールとして、塗料マイスター検定は期待できます。

塗料販売店員の実力の可視化

塗料販売店員における良い営業マンというのは、メーカーにもユーザーにも頼りにされる存在ですが、営業マンの名刺を見ても、その人がどれほど頼りになるのかは一緒に仕事をしてみないとわかりません

とても気が利いて優秀な主任もいれば、お願いしたことの返答もなく、知識もなくて役に立たない課長もいます。

この塗料マイスター検定制度の内容が、実務に通じた良い内容だった場合、検定の取得有無によって各営業マンの知識、スキルの有無がある程度判断できるようになります

良いビジネスパートナーを選ぶ上で、一つの指標になるかもしれませんね。

優れた販売店の権威性が向上

二級建築士が勤務している建築事務所よりも、一級建築士が勤務している建築事務所のほうが頼りになりそうですよね。

同じように、『塗料マイスター検定上級取得者がいる塗料販売店』という謳い文句は、同業他社との差別化を図れる権威性と言えます。

塗料マイスター検定を受けるメリット

検定が始まったとして、この検定は受けるべきでしょうか。

この検定を受けることによるメリットを3つ考えてみました。

新人教育ツールとして活用できる

前述の通り、塗料と塗装の基礎知識を学ぶためのツールとして、新入社員への研修の一つとして受験をさせるのは有効だと考えます。

昇給、昇格の基準として活用できる

年功序列の終身雇用制度は崩壊しつつある日本において、塗料業界もその流れに乗っていくことになると思います。

その上で、『大して仕事もしていないのに役だけついて良い給料だけ貰う中年の社員』という存在を少しでも減らすべく、こういった試験制度は「本当に努力している人の可視化」ができるので有効だと言えます。

塗料業界の活性化につながる

こういった新たな取り組みというのは、やってみないと分からない部分が大きいです。

やってみたけど大して盛り上がらないかもしれませんし、黒歴史となって忘れ去られる可能性もあります。

しかし、新たな取り組みを否定してしまっては、業界に未来も成長もありません

私は個人的には、こういった新しい取り組みは楽しみながら積極的に参加するのが良いと考えます。

そして、こういったことへの参加こそが、次の課題の発見や、関わった人達への刺激になり、活性化につながると考えています。

まとめ

塗料マイスター検定とは、

  • 2016年から検討されてきた新制度
  • 初級、中級、上級の三段階
  • 令和3年中にテキスト完成予定
  • 令和4年に第一回試験を開催予定
  • 開催はオンライン、地方開催も検討

ということが分かっています。

塗料マイスター検定は何の役に立つかというと、

  • 人材育成ツールになりうる
  • 塗料販売店員の実力判断基準となる
  • 塗料販売店同士の差別化、権威性の向上が期待できる

以上の3つの可能性が期待できます。

塗料マイスター検定を受けることによるメリットは、

  • 新人育成ツールになる
  • 昇給、昇格の基準になる
  • 塗料業界の活性化につながる

以上の3つのメリットが期待できると私は考えます。

以上、これから始まる新しい制度について、現時点で分かる範囲の情報と、私の考察を書かせていただきました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。